製作過程~完成画像

1/18 『ビルトイン・ガレージ  ブラックVer.』

≪マンションイン  デザインタイプ≫

LEDジオラマショーケースの製作過程

今回の製作は、以前に製作しました『ビルトイン・ガレージジオラマ』を、1/18スケールで内装壁や床などを黒色ベースにし、各所にアレンジを加えまして製作したLEDジオラマショーケースになります。

タワーマンションインタイプのビルトインガレージをイメージし、高級感のあるジオラマショーケースをコンセプトに製作してみました。

 

照明類の製作はLEDを使用し、テレビには薄型の液晶モニターを使用して製作。壁内部にスピーカー2個とステレオアンプを内蔵させており、付属の小型メディアプレーヤーに接続することで、動画・音声ファイルの再生や写真画像のスライドショー機能などを視聴できる構造になっています。外部端子にお手持ちのDVDプレーヤーや、テレビチューナーなどと接続も可能で、テレビジオラマを通して映画観賞などができる、リアリティあるリビングルームをテーマに製作しています。

 

こちらの作品は次回オークション出品用として製作したもので、出品は4月中旬を予定。

※ランボルギーニミニカー2台は付属しません。

※窓外側のビル群の風景は、撮影上の演出用として簡易的に製作した画像パネルを設置して撮影したもので、窓外の風景パネルも出品物には含まれません。

 

ご質問等ございました場合はお気軽にお問い合わせ下さいませm(__)m

 


工程① 『土台ベースの製作』

製作はまず、ジオラマの基礎となる床土台部分より開始。

ケースジオラマ構築の最も基本となる部分であり、骨格のかなめとも言える個所にもなるため、強度や耐久性などを重視した素材選定に重点をおいて行っています。

 

土台のベースとなる部分には、ベニヤ板などと比較すると、表面のなめらかさや強度などの面においてより製作が進めやすい素材として「カントリーボード」を使用しています。

 

カントリーボード素材は幅60㎝、奥行き45㎝で厚さは1cmのものを使用しました。

 

ベース板の下面の高さをつけるためにさらに厚さ1cmの角材を使用し、フチ部分にネジで固定。

 

各所をネジ固定にすることで、接着剤での固定などと比べ、その後の位置修正などの微調整も可能なことに加え、固定強度もしっかりと高めています。

 

各所のネジ頭部分は、その後の製作に影響を及ぼさないよう、ネジ頭部分が床面のツラにすっぽり収まるよう深く切り込みを入れてからネジを締め付けて固定しています。

 


工程② 『床フロア部分の製作』

床フロア部分は半ツヤ上のブラック系タイルをイメージし、透明エンビ板を加工して製作。

 

透明のエンビ板をブラック、ホワイト、グレー系の計3色を使用して塗装し、仕上げに半ツヤ消しクリアで塗装しています。

 

塗装の乾燥後にタイル目時となる部分に1本1本切り込みを入れ、タイル目時のラインを形成。

 

目時のラインは実際に切り込みを入れることで、見る角度と光源の状態により、光と影によって生み出される実物のような色合いの変化を表現しています。

 

 


工程③ 『ケース骨格の製作』

ショーケースの骨格となる壁部分は透明2㎜アクリル板と角材を使用し、ネジ固定でより強度が出るよう製作しています。

土台部分の板の側面に、背面と左右の側面部分となる3面に透明2㎜アクリル板をネジでしっかりと固定し、骨格強度を高めるために角材をT字に天面に固定。

 

透明アクリル板は作業中の擦り傷防止のため保護シートを極力貼ったままの状態で作業を進めて行きます。

 

固定する角材も皿ネジを使用し、ネジ頭部分がアクリル面にもすっぽり埋まるよう、深く切り込みを入れネジ固定しています。

 

固定したBOX上の床面に、塗装製作したタイル床シート部分を設置して土台ベースの製作が完了。

 

 


工程④ 『ガレージガラス枠部分の製作』

ガレージスペースは、アクリル板を使用しガラス枠で囲まれたようなガレージスペースを表現しています。

1/18スケールミニカーで2台収納可能な寸法で製作しています。

ジオラマショーケースの大黒柱部分とも言えるガラス壁部分は、アクリル板に強力両面テープでしっかりと固定した角材と床面とをネジ固定することで頑丈な作りにしていきます。

 

角材は黒色の木口テープを貼り付けブラックベースに仕上げました。

 

木口テープはカッティングシートなどと比較するとシート自体に厚みもあり、細めの木材にもかなり強力に密着するので、製作後の剥がれ防止と見た目のクオリティアップを重視しています。

 


工程⑤ 『ガラスショーケースの製作』

ガレージスペース内の奥壁部分は、アクリル板を使用し、額入りのエンブレムや絵などを飾れるようなガラスショーケース部分を設置しました。

ガラスショーケース部分は、角材と黒白2色のエンビシートを使用し枠部分を製作し、1mmアクリル板で表現したガラス枠部分は、上部に小型のネオジム磁石を埋め込み、脱着可能に設計されています。

 

中に飾るエンブレムなどのデザインは変更が可能なように磁石シートを使用し、脱着可能な構造になっています。

 

天面部分にダウンライト用で2個、壁オブジェ間接照明用で2個、計4個のLEDを設置しました。

 

 


工程⑥ 『内装壁柱の製作』

内装壁柱部分は、5㎜厚のスチロール製の板で製作したボックス状の柱パーツに黒色エンビシートを貼り付けて仕上げています。

エンビシートは耐水性、耐油性に対応できる素材で、内装壁の汚れ防止と耐久性を重視した素材選定になっています。

 

また表面の微妙な凹凸の柄によりクオリティアップを意識した素材選定になっております。


工程⑦ 『ガレージスペースの製作』

ガレージ手前面のガラス壁部分は、ガラスのつなぎ面を表現した縦ラインの切り込みを入れたアクリル板で製作。

 

ガレージスペース内にミニカーを搬入する際は、このガラス壁パーツを脱着して行う構造になっています。

脱着可能なこのガラス壁パーツは、合わせ位置やラインなどが極力ピッタリハマるよう寸法合わせを慎重に行いながら製作しています。

 

 


工程⑧ 『内装の構築』

外側から見える部分は極力内装シートで目隠しし、ブラックの統一感を重視して製作しました。

 

 


工程⑨ 『間接照明関連の製作』

ガレージ内のガラスショーケースはLED照明によりデザイン演出を施しました。

壁に間接照明オブジェを設置し、天面部分には暖色系のダウンライトを表現したLEDを配置しています。

 

配線とLEDの接続はハンダ付け作業をきっちりと行い、断線防止に重点をおいて作業をすすめています。

 

各LED類は製作時にしっかりと点灯チェックを行いながら進めています。

 


工程⑩ 『ダウンライト照明の製作』

ダウンライトは反射板をイメージした金属パーツでLEDをカバーすることでよりリアリティを高めています。

 

ダウンライトLEDはリビングルーム部分には暖色系のLEDを使用し、ガレージスペース部分にはホワイトのLEDを使用し2色のLED色によって生み出されるの光の空間コントラストを表現しています。

 

 


工程⑪ 『音声用スピーカーの設置』

ジオラマ内に音響用として直径約5cmのスピーカーパーツを使用しました。

音声用のスピーカー2個はテレビモニター上部の内装壁柱内部に設置しています。


工程⑫ 『リビングルームスポットライトの製作』

リビングルームの照明用として、暖色系ダウンライトLEDの他に、白色LEDのスポットライト2基を設置しました。

スポットライトはエンビパイプと精密ビス、自作パーツで製作し、照明角度の調整可能な設計になっています。

各LEDの結線の際に配線同士が接触しショートしたり、断線等防止のために熱収縮チューブによりしっかりと絶縁処理を施しながら進めています。


工程⑬ 『内外装のディテールアップ装飾』

ガラス枠部分にはアルミ角柱をイメージしカットしたパーツを強力両面テープで貼り付けています。


工程⑭ 『外壁の製作』

外装壁用に使用したシートは、床用のフロアシートをカットしたものを貼り付けています。

 

外壁の目時となるラインを表現するために1枚1枚寸法合わせながら貼り付けています。

 

外壁シート素材も耐水性があり油分にも耐久性のある素材を使用しています。

 

 


工程⑮ 『インテリア関連の製作』

椅子やテーブルなどすべてのインテリア類は自作したインテリアになります。

 

テレビジオラマに使用した液晶モニターは5インチサイズの薄型タイプを使用。

モニター基盤類は自作テレビボード内に収納し、LEDを内蔵させデッキなどの電化製品が点灯するようなイメージで製作しました。

 

アクアリウム水槽内もLED蛍光灯をイメージして自作したパーツで水槽内を照明できる構造になっています。

 

液晶モニターやLED照明などの動作・点灯チェックはこまめに行いながら製作しています。

 


工程⑯ 『スイッチ・基盤関連の取り付け』

スイッチは照明関連で4個、モニター・スピーカー関連で1個の計5段階スイッチ構造になります。

 

スピーカー用のミニアンプ基盤を内蔵させ、ガラスショーケース下部に配置しています。

 


工程⑰ 『細部のディテールアップ作業』

コーナー部分など繋ぎ目が見える個所などはアングル材を使用し、ツヤ消し黒に塗装し設置しています。

 

ガレージのガラスドアの取っ手パーツもアクリル棒とピアノ線で自作し、ピンバイスで穴開けし設置しています。

 


工程⑱ 『天面/前面アクリルカバーとガレージシャッターの製作』

天面のアクリル板はネジ固定し建物強度をさらにアップさせています。

 

手前側の解放面には、透明2㎜アクリル板で製作したカバーを、ネオジム磁石式でワンタッチで脱着可能に設置できる設計になります。

 

ガレージシャッターパーツは上方向にスライドさせてワンタッチで脱着可能に設計されており、ツヤ消し黒に塗装を施し仕上げています。

 

 


工程⑲ 『電飾配線の結線作業』

配線類は熱収縮チューブによる絶縁処理と、配線カバーを使用し、床下内にすっきり収まるよう配置されています。

 

ジオラマ背面より電源ジャックと映像・音声端子が接続できるよう配置固定されています。

 


『最終仕上げ工程~完成』

電源コンセントパーツを自作し、配線などを表現することで各所ディテールアップと細かな部分の修正を行い、保護シート類をすべて剥がしていよいよ完成。


『完成画像』

ランボルギーニミニカー2台を配置し完成画像撮影。

マンションインタイプのビルトインガレージをイメージし、簡易的に作成した背景画像を設置して撮影しましたが、おおよそイメージ通りの良い仕上がり具合になったかと思います(^-^)♪

『ジオラマTVモニター動作試聴動画』

リビングルーム内の自作テレビモニターの映像や、設置したスピーカー音声など実際の動作状況をご視聴頂けます。

最後までご覧頂きありがとうございましたm(__)m


コメントをお書きください

コメント: 6
  • #1

    まびょん (月曜日, 01 5月 2017 14:43)

    とてもとても真似は出来ませんが、いつも参考にさせていただいています。
    アクリルボードに溝を掘る部分ですが、ずれない為の工夫は何かされていますか?
    以前、大理石フロアの紹介されていた際に、試してみたのですが、ラインすらまともに引けませんでした。涙

  • #2

    satoruk_skp (月曜日, 01 5月 2017 16:20)

    まびょん様
    いつもご覧下さりありがとうございますm(__)m
    参考になるかわかりませんが、私の場合溝を切るときは一気に彫り込むのではなく、まずは軽くなぞるようにスリ傷をつけるようにラインを入れて、このキズがしっかりまっすぐガイドになるように2回、3回とだんだん力を加えていき、5回目くらいでしっかりラインを彫り込むようなイメージで切っております。力を入れすぎないように、まずはまっすぐにガイドとなるラインを切り込むことを心がけております(^-^)

  • #3

    まびょん (水曜日, 03 5月 2017 16:09)

    アドバイスありがとうございます。
    使用されていたのは塩ビ板でしたね。アクリル板と勘違いしておりました。
    それにしても塩ビ板に直接塗装を施して大理石風の床にするアイデアは無かったです。
    自信はないですが、試してみようと思います。

  • #4

    satoruk_skp (水曜日, 03 5月 2017 19:03)

    ご丁寧にご返答をありがとうございます。
    他にも不明点などございました場合は、ご参考程度ではございますが私でよろしければどうぞお気軽にお問い合わせ下さいませm(__)m

  • #5

    まびょん (木曜日, 04 5月 2017 12:52)

    お疲れ様です。

    塗装にお使いになった塗料の種類と3色を塗った際の順番をお聞きしたいのですが…
    種類はラッカー系の塗料をお使いでしょうか?
    あと塗装の順番はやはり明るい色から順番に塗った方が良いですか?

    いつも質問ばかりで申し訳ありません。

  • #6

    satoruk_skp (木曜日, 04 5月 2017 16:06)

    まびょん様
    工程の技法的な内容につきましては、あえて公開してない部分もございますので、よろしければホームページ上の「お問い合わせ」ボタンよりご連絡下さいませm(__)m
    ご連絡頂ければ独自の技法的な部分の詳細についてもご説明させて頂きますのでどうぞお気軽にご連絡下さいませ(^-^)